「マルチタスクが苦手だ。何とかしないと」と思いつめていた時に購入しました。
しかし、この本ではマルチタスクでなくシングルタスクを薦めています。これには科学的な理由があります。それは
脳は一度に複数のことに集中できない
ということです。確かにマルチタスクに物事を進めようとした結果、自分でも何をしているのかわからなくなってしまうことがありました。あるタスクAからタスクBをやってまたタスクAをやるときに、「何をしていたんだっけ」と思い出す時間もよくよく考えてみれば無駄ですよね。さらに筆者は
マルチタスク=タスクのスイッチングにすぎない
と主張しています。なるほど。あれはタスクからタスクへの切り替えをしているのに過ぎないってことで、マルチタスクに見える人っていうのはタスクの切り替えが早いということでしょうか。これを聞いてコンピュータの仕組みの話を思い出しました。コンピュータでもいくつもソフトウェアを立ち上げて、あっちでインストールをしている間にこっちのファイルを操作のように一見マルチタスクのようなことができますが、あれって実はシングルタスクで、人間が知覚できないような細かい時間でタスクを切り替えているのに過ぎないんですよね。まぁ人間の脳もコンピュータも電気信号で動いているので、そこらへんは似ているのでしょうかね。
シングルタスクに物事を進めるには
仕事を細かい作業に分解すること
よく先輩から「仕事を細かい作業に分けろ」とか「考えるフェーズと作業をするフェーズを分けろ」とか言われてきましたけど、これってシングルタスクの原則に基づいているんですよね。例えばパワポを作るにしてもいきなりスライドを作るのではなくて、スライドに書く内容を考えたり、どんな図を書けばよいかを紙に書いて考えてから、スライド作成に移るようにする。いきなりパワポを作り始めるのって結局、内容を考える作業とスライドを作成する作業を同時に行ってしまっているんですよね。だから行ったり来たりになってしまって余計に時間がかかってしまう。図にしたってイメージを作るなら紙で書くほうが早いし、イメージが固まってからパワポ上で作成すればいいわけです。この本を読んで、先輩の言葉が深い意味で理解できたような気がします。
スマホになんでも依存しないこと。
これは本でも紹介されていましたが、スマホはシングルタスクの妨げになります。なぜなら「なんでもできてしまうから」。だから必要のない情報まで入ってきてしまい、必要のないことで時間を浪費してしまうのです。なんでもできる利便性が仇になっているというわけですね。私はこの本を読むまでスマホのアラームを使用していました。そうすると自分のそばにスマホを置いておかないといけないから、スマホが鳴った時にどうしても気になってしまうのです。あるいは眠れないときなんかにスマホを見ていて気付いたら午前3時みたいなこともありました。これはヤバいと思い、LOFTでアラーム時計を購入した結果、朝の目覚めが段違いによくなりました。これを機にスマホ以外でできることはなるべくスマホ以外でやろうと思います。シングルタスク関係ないけど友人が「スマホで時間見てる奴は懐中時計見ているのと同じ」と言っていたのがおもしろいなぁと思いました。懐中時計をポケットから取り出すのが面倒だから腕時計が生まれたのに、現代ではみなポケットからスマホを取り出して時間を見ている。人間というのは奇妙なものですな・・・