オイストラフ、ハイフェッツ、クライスラーetc
バイオリンを弾く人であれば一度は名前を聞いたことがあるだろう。
彼らの写真を見ると、誰も肩当をつけていない。
今日では、プロも含めほとんどのバイオリニストがブリッジ型の肩当を使用している。 肩当を外せばもっと良い演奏ができるのではないかと考える人もいるのではないだろうか。
私は幼少のころからバイオリンを習っており、当初は肩当をつけて演奏していた。バイオリン教室の中では中の下くらいの腕前だっただろうか。
しかし12歳のころ、バイオリンの先生を変え、その先生の影響で肩当を外して弾き始めた。
そこから私のバイオリンの腕前はぐんぐん上達し、部活やサークルのオケではコンマス候補になるくらいだった。
また「肩当なし」で弾く人自体が少数派(自分の周りで数%くらい?)なので、それだけで一目置かれる。それが自分のバイオリンのアイデンティティとして誇れるものでもあった。
さて、今回は肩当なしに挑戦しようか悩んでいる人へ
- 肩当のあるなしで結局何が変わるのか
- 肩当なしのメリット、デメリット
- 肩当なしの練習方法
を3回に分けて書きたいと思う。
肩当のあるなしで結局何が変わるのか
肩当によって変わるものは以下の4つ。
- 裏板の振動
- 楽器の角度
- 右ひじの角度
- 左手にかかる荷重
一つ一つ解説しよう。
裏板の振動について。バイオリンの響きを左右する裏板の振動だが、ブリッジ型の肩当では裏板の縁の振動を吸収する。
対して肩当なしの場合、裏板と鎖骨が直接接するので、鎖骨で振動を吸収する。
次に楽器の角度。
肩当を有無によって、下の写真のように角度がかなり変わる。(写真はイメージだが、だいたいあってるはず)
よって、左手の運指にもかなり影響を及ぼす。
さらに、右ひじの角度。楽器の角度が変わるので、それぞれの弦を弾く時のひじの角度も変わってくる。肩当は左手だけでなく、右手にも影響を及ぼすのだ。
最後に、左手にかかるバイオリンの荷重。肩当有であれば、あごで支える力のみで楽器を水平に保つことが可能であり、左手はフリーになる。一方肩当なしの場合は、あごの力だけでは楽器を持ち上げるのに不十分で、左手の支えが必要になる。詳しい話はまたどこかで書きたいと思う。
今回はこれくらいで。
次はメリットデメリットについて、語ります。